
金子眼鏡のホームページで「井戸多美男作」ってあったけどどんなブランド?
このような疑問をお持ちの方に有益な記事となっております。
この記事を書いている私は、メガネ歴20年メガネ業界歴15年以上の眼鏡のプロです。
今回は金子眼鏡でも人気の「井戸多美男作(いどたみおさく)」について解説していきます。金子眼鏡ではいくつかのブランドを展開しており、そのうちの1つが今回ご紹介する「井戸多美男作」です。
メガネを買おうと悩まれている方は、こちらの記事を読んでいただければ、井戸多美男作が次の購入候補に入るのではないかと思います。短めの記事になっていますので、是非ご覧ください!では、早速いきましょう。
金子眼鏡のブランド相関図
まずは金子眼鏡(かねこがんきょう)の中での井戸多美男作がどんな位置付けにあるブランドなのかを知っていただきたいと思います。
結果からお伝えすると、井戸多美男作は金子眼鏡が展開する職人シリーズの1つです。
以下、ブランド相関図をご覧ください。
ざっくりと分けるとこのようにブランドが分かれています。
実際は「掌|たなごころ」というブランドやファッションブランドとのコラボアイテムもありますが、今回は割愛いたします。
ご覧の通り、井戸多美男作は金子眼鏡が展開する職人シリーズの1つです。職人シリーズは、実際の職人の名前を冠するブランドで、それぞれが個性を持った作りをしています。
今はメガネ業界自体が、長きにわたりクラシックブームです。その中で、人気を博するのが今回ご紹介する「井戸多美男作」。次は実際にどんなブランドなのかをご説明していきます。
井戸多美男作ってどんなブランド?
井戸多美男作はメガネ職人井戸多美男氏が手がける眼鏡ブランドです。福井県鯖江市の名職人で、昭和38年父井戸久秋を師と仰ぎ10年程にわたり修行を行い、今に至るまでメガネの制作を行ってきました。繊細で上品な仕上がりは、奥ゆかしく凛とした佇まいで、やさしく表情を演出します。
古(いにしえ)の金属素材であるサンプラチナを使用してつくるメガネは、シンプルながらとても雰囲気のある製品です。
加工が難しいとされるサンプラチナを使いこなせる職人さんは、福井でも数が減っており金属の磨きにおいては通常の3倍以上の時間をかけなければ製品化できないそうです。
非常に難易度が高く工程数も多いメガネ作りを、丹精込めて1人で行っているまさに職人技が光るブランド。それが井戸多美男作です。
サンプラチナとは?
古(いにしえ)の金属素材であるサンプラチナを使用しているわけですが、そもそもサンプラチナとはどんな素材なのでしょうか。
大好きなメガネ店ブリンクさんで詳しくまとめた内容がありましたので、引用させて頂きます。
今ではあまり主流ではない眼鏡のメタル素材、「サンプラチナ」は、1930年代にアンチニッケル合金として生まれました。メッキをしないと、美しい白金色に似た光沢を放ちます。日本では、80年代にチタンが生まれるまで、高級な眼鏡の素材とされていました。身体との親和性に優れているのが特徴で、かつては歯科の材料に使用されました。また耐食性にも優れているので、経年劣化も少なく、数十年経過したフレームでロウ離れしても、再び再ロー付けで簡単に修理できます。
引用元:blinc HP
シンプルなフレームを得意とする井戸多美男作は、このサンプラチナという素材を使う事で、ただの銀ブチ丸メガネではなく独特の質感で白金のような輝きを放ちます。
経年劣化も少ないと言われています。シンプルで飽きの来ないデザインとサンプラチナの組み合わせが相まって、質感の高さを生み出していると感じます。
井戸多美男作の象徴的なパーツ
眼鏡ブランド「井戸多美男」の眼鏡はミニマルな作りで無駄がありませんが、その中に様々なギミックが詰まっているんです。
これはユーザーがかける中で快適に使えるようにという、井戸氏の眼鏡づくりに対するこだわりやプライドを垣間見ることができます。
どんな設計がされているかというと例えば、
それぞれ解説していきます。
左右非対称丁番

左右非対称丁番とは、その名の通り左右の丁番が非対称に作られている作りを言います。
(パーツがわからない方はこちらを開きながらご覧下さい。これ知らない?メガネのパーツ別名称まとめ【画像12枚で解説】)
これはどんなメリットがあるかというと、メガネの開閉時にネジゆるみがおきにくいというメリットがあります。左右非対称というのは、ネジの入れる向きの事を言います。
テンプル(ツル)とフロントをつなぐネジは、基本的に上にネジ頭が来るようになっていますが、井戸多美男作の眼鏡は右のネジは「ネジ頭が下」左のネジは「ネジ頭が上」にくるよう設計されています。
ネジ緩みはメガネを使用する中でとてもストレスになります。こういった細かいディティールは、メガネユーザーとしても嬉しいですよね。
テンプルエンドのしのみ返し
次は「しのみ返し」についてです。

このような作りのことですね。この作りの最大のメリットは、掛け外しのしやすさにあります。
この返しがあることで、メガネをかける時に引っかかりが起きづらく、掛け外しのストレスが軽減されます。
髪が長い方ほどメガネをかける時に巻き込まれやすいんですが、これがあるとスムーズに掛け外しが可能。言われないとわかりませんが、シンプルな作りの中にこだわりが詰まっていますよね。
ブランドの象徴的ノーズパッド「一山(いちやま)」
井戸氏のメガネには様々な設計がありますが、その中でも象徴的な作り(パーツ)があります。それはノーズパッドの形で一山(いちやま)という構造を使用している事です。

ノーズパッドは一般的に、鼻の筋に対して挟むように留めますが、一山(いちやま)は鼻の筋の上に留めるつくりです。
メリットは
などが挙げられます。今ではなかなか見ない作りで、渋谷のグローブスペックスで扱われているLunor|ルノアなどでは使用されていますが、どこにでもある作りではない設計です。
鼻に乗せると普段とは違う不思議な感覚ですが、鼻に合う物だと本当にズレにくく跡が全然残らないので、大好きな設計です。
井戸多美男作といえば!評判の良いシリーズをご紹介
最後に、井戸多美男作のメガネで名作・名盤と評価の高いフレームをご紹介いたします。井戸多美男作にはプラスチックのフレームもありますが、やはり!評判が良いのは、サンプラチナ製のメタルかなと思います。
ご紹介は2本、品番がややこしいですが「T-416」と「T-461」です。
井戸多美男作|T-416
ラウンド型のT-416はサイズ感的にとても小ぶりなつくりをしています。
井戸多美男作|T-461
逆にこちらのT-461は大き目なつくりで、T-416と比べると横幅が全体で8㎜以上大きく、縦幅も4mmおおきめにつくられています。しかし、ただサイズを大きくしただけではなくこちらの方がころっと丸みのある柔らかいシェイプになっています。
とても人気の品番ながら、職人の手造りゆえに需要と供給のバランスがあっていません。また、最近から職人シリーズの6,000円値上げがありました。金額も上がり有希少性も高まっています。
欲しくてもなかなかお目にかかれないので、出会えた方は是非購入をおすすめいたします。
まとめ:井戸多美男作はシンプルなのに職人のプライドとこだわりの詰まったブランドだった
以上です。最後に本記事をおさらいしていきます。
以上です。是非こちらの記事を参考にメガネ選びを行って頂ければお思います。ありがとうございました!
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