MATSUDA(マツダ)のメガネを初めて見たとき、まず目を奪われるのは細部の作り込みではないでしょうか。
リムやテンプルに施された細かな彫金。
チタンとアセテートを組み合わせた立体的な構造。
モデルによっては、目の横まで覆うように取り付けられたサイドシールド(風防)。
一見するとクラシックですが、近くで見るほど普通のヴィンテージ風メガネとは違うことが分かります。
MATSUDAは日本で生まれ、現在も日本で作られているアイウェアブランドです。
そして、その歴史をたどると、日本だけでなく海外のファッションシーンとも深く関わってきたことが分かります。
「MATSUDAってどこのブランド?」
「なぜこんなに値段が高い?」
「どんなモデルがある?」
「日本のブランドなのに、なぜ海外でも知られているの?」
この記事では、MATSUDAの歴史から、日本製のフレーム、彫金やサイドシールドなどの特徴、価格、代表モデルまで、眼鏡販売の現場目線で解説します。
MATSUDA(マツダ)はどんなメガネブランド?

MATSUDAは、ファッションデザイナー・松田光弘氏の世界観から生まれた日本発のアイウェアブランドです。
MATSUDA Eyewearは1989年にスタート。
現在もフレームは日本でハンドメイドされており、チタンや日本製アセテート、彫金、ラッカーなどを使った細かな作り込みを特徴としています。
MATSUDAのメガネを見ると、単純に「クラシックな眼鏡」という言葉では説明しきれません。
ヴィンテージアイウェア。
建築。
ジュエリー。
工業製品。
ファッション。
そうした要素をひとつの眼鏡にまとめたようなデザインが多く、細部まで見るほどMATSUDAらしさが分かります。
MATSUDAが掲げる言葉のひとつが「Architects of Eyewear」。
眼鏡を視力矯正の道具としてだけでなく、ひとつのデザインプロダクトとして作っているブランドです。
MATSUDAの歴史|松田光弘と海外へ広がったブランド
MATSUDAを理解するうえで欠かせないのが、創設者である松田光弘氏の存在です。
松田氏は、もともと眼鏡だけを手掛けていたデザイナーではありません。
日本のファッションシーンで活躍してきたファッションデザイナーであり、MATSUDAのアイウェアにもその背景が色濃く残っています。
さらに興味深いのが、MATSUDAと海外との関係です。
NICOLEの公式沿革を見ると、1982年には米国にMATSUDA U.S.A. INC.を設立し、ニューヨークに「MATSUDA NEW YORK」をオープン。
1983年にはニューヨークコレクションでMATSUDAを発表し、1987年にはパリにも「MATSUDA PARIS」をオープンしています。
そして1989年、MATSUDA Eyewearがスタートしました。
つまりMATSUDAは、日本で人気になってから海外へ進出した眼鏡ブランドというより、アイウェアが誕生する以前から海外のファッションシーンと接点を持っていたブランドです。
この背景を知ると、MATSUDAのデザインが一般的な日本のクラシックフレームとは少し違って見える理由も分かる気がします。
現在では、過去のアーカイブを現代に蘇らせる「Heritage Collection」も展開されています。
30年以上前のデザインを今見ても古く感じない。
むしろ現在のラグジュアリーアイウェアの中に置いても強い個性を持っていることが、MATSUDAの魅力です。
MATSUDAが海外でも高く評価されてきた理由

MATSUDAは日本発のブランドですが、海外でも長く展開されてきました。
その理由のひとつとして考えられるのが、デザインの強さと日本のものづくりを両立していることです。
クラシックな眼鏡をベースにしながら、細かな彫金や立体的なメタルパーツ、サイドシールドなどによって、ひと目で印象に残るモデルがあります。
一方で、それを実際のプロダクトとして成立させているのが、日本の高い眼鏡製造技術です。
大胆なデザイン × 日本の精密なものづくり。
海外でラグジュアリーアイウェアとして評価されてきた背景には、この組み合わせがあると考えられます。
映画の中にも登場してきたMATSUDA
MATSUDAを語るうえで、映画との関係も外せません。
国内の正規取扱店などでは、『ターミネーター2』でサラ・コナーがMATSUDAのアイウェアを着用した例や、『アイアンマン3』でロバート・ダウニー・Jr.演じるトニー・スタークがMATSUDAを着用した例が紹介されています。
映画をきっかけにMATSUDAを知った人もいるかもしれません。
ただ、有名人が掛けていることだけがMATSUDAの魅力ではありません。
むしろ面白いのは、映画の中で使われても埋もれないほど、フレームそのものに強いデザインがあること。
衣装や小道具のひとつでありながら、眼鏡好きなら目を留めてしまう。
それだけプロダクトとしての個性が強いブランドです。
MATSUDAのメガネは日本製
MATSUDAのフレームは現在も日本でハンドメイドされています。
ブランド公式では、鯖江の眼鏡工房で製造され、デザインによっては完成まで最大2年、約250もの工程を経ると説明しています。
さらに公式サイトには「250 Steps, 71 hours, and 13 Craftsmen」という表現もあります。
数字だけを見ると驚きますが、MATSUDAのフレームを近くで見ると、その理由が少し分かります。
リム。
ブリッジ。
テンプル。
ヒンジ。
そしてサイドシールド。
一般的な眼鏡なら機能を満たせばいい部分にまで、装飾や複雑な構造が入っています。
使用される素材も、チタン、ステンレス、スターリングシルバーなど多岐にわたり、アセテートにも日本製のものが使われています。
MATSUDAの価格を見ると驚く人もいると思いますが、単にブランド名だけで価格が上がっているわけではありません。
MATSUDA最大の魅力は「ひと目で分かる」ものづくり

MATSUDAを見ていて、個人的に一番惹かれるのが、ひと目見てMATSUDAだと分かるものづくりです。
世の中には星の数ほど眼鏡ブランドがあります。
それぞれに代表的なモデルやアイコニックな形はありますが、誰かが掛けている姿を見ただけで「あのブランドだ」と分かる眼鏡は、実はそれほど多くありません。
たとえば999.9(フォーナインズ)の逆Rヒンジ。
Chrome Hearts(クロムハーツ)のシルバー装飾や彫金。
そしてMATSUDAの、目元の横まで回り込むようなサイドシールド(風防)。
もちろん、MATSUDAのすべてのモデルにサイドシールドが付いているわけではありません。
それでも、彫金や立体的なメタルパーツまで含めた独特の作り込みには、ブランドを知らない人にも「普通の眼鏡とは何か違う」と思わせる力があります。
眼鏡販売の仕事をしていて多くのブランドを見てきましたが、掛けているだけでブランドの個性が伝わるところまでデザインを確立するのは簡単ではないと感じます。
だからMATSUDAはすごい。
そして個人的には、そこに憧れます。
価格が高いから憧れるのではありません。
長い時間をかけて「これはMATSUDAだ」と分かるデザインを築いてきたこと。
そこが、MATSUDAというブランドに惹かれる大きな理由です。
MATSUDAを見るなら、正面だけで判断するのはもったいないと思います。
むしろ見てほしいのは、横や斜めからの姿です。
彫金
MATSUDAを象徴するディテールのひとつが彫金です。
リムやブリッジ、テンプルなどに非常に細かな模様が刻まれたモデルがあります。
一見するとシンプルなメタルフレームでも、近づいて見るとまるでジュエリーのような装飾が入っている。
この距離によって印象が変わる感じは、MATSUDAならではです。
大きなロゴでブランドを主張するのではなく、細部を作り込むことで存在感を出しています。
サイドシールド(風防)
そしてMATSUDAのデザインで、特に好きなのがサイドシールドです。
モデルによっては、レンズの横に風防のようなパーツが取り付けられています。
もともとゴーグルや古いパイロットグラスなどにも見られる機能的なディテールですが、MATSUDAではそれを装飾としても成立させています。
特に面白いのが、単なる板を取り付けているわけではないこと。
チタンを使ったもの、細かな装飾が施されたもの、着脱できるものなど、モデルによって構造も異なります。
正面から見るとクラシック、横から見ると一気にMATSUDAらしくなる。
このギャップが格好いい。
実物を見る機会があれば、ぜひ正面だけでなく横から見てほしいポイントです。
【サイドシールドの実物写真を挿入】
MATSUDAの特徴的なサイドシールド。細かな装飾や立体的な構造は、実物を近くで見るとさらに存在感があります。
チタンと日本製アセテート

MATSUDAでは、チタンを使ったメタルフレームだけでなく、日本製アセテートを組み合わせたコンビネーションフレームも展開されています。
メタルだけで完結させず、異なる素材を重ねることで立体感を作る。
この構造もMATSUDAらしいところです。
正面のシルエットだけでなく、素材の組み合わせやパーツの重なりまで含めてデザインされています。
MATSUDAの代表モデル

MATSUDAには数多くのモデルがあります。
ここでは、ブランドの特徴が分かりやすいものをいくつか紹介します。
M3023
MATSUDAを代表するサングラスのひとつです。
アビエーター/ナビゲーターを思わせるシェイプをベースに、日本製アセテートとメタルパーツを組み合わせた立体的なデザインが特徴。
横から見たときのディテールまで作り込まれており、MATSUDAの世界観を感じやすいモデルです。
なお、現在はM3023に加えて、誕生10周年に再構築された「M3023-V2」も登場しています。
似た名称ですが別モデルなので、購入時には間違えないようにしてください。
M3115
パイロットグラスを思わせるデザインに、装飾性の高いサイドシールドを組み合わせたモデル。
正面のシルエットだけでなく、横から見たときの存在感が非常に強い一本です。
MATSUDAの「風防が格好いい」と感じた人には、ぜひ見てほしいモデルです。
10103H
Heritage Collectionから展開されているラウンド型のメタルフレーム。
サイドシールドのような分かりやすい装飾とはまた違い、MATSUDAらしい細かなメタルワークを楽しめます。
MATSUDAというと風防付きのサングラスに目が行きますが、こうしたメタルフレームを見るとブランドの作り込みの幅がよく分かります。
2809H-V2
MATSUDAの歴史を感じられるHeritage Collectionの限定モデルです。
ベースとなった2809のオリジナルリリースは1989年。
現行の2809H-V2では、細かなディテールを持つチタンと日本製アセテートを組み合わせ、さらに取り外し可能なサイドシールドを備えています。
公式サイトでは、BordeauxとBottle Greenについて、それぞれ世界500本限定とされています。
過去のデザインをそのまま再現するのではなく、現在の技術で再構築する。
MATSUDAの歴史と現在がひとつのフレームにまとまったようなモデルです。
MATSUDAのメガネはいくら?
MATSUDAは、一般的な眼鏡ブランドと比べると高価格帯です。
2026年10月に日本向け公式サイトを確認すると、10万円を超えるモデルが多く、Heritage Collectionや限定モデルではさらに高額になります。
モデルによっては20万円を超えるものもあります。
決して気軽に買える価格ではありません。
ただしMATSUDAの場合、チタン、日本製アセテート、細かな彫金、複雑なパーツ構成やサイドシールドなど、モデルによって非常に手の込んだ仕様が採用されています。
公式が最大250工程と説明していることを考えても、価格だけを切り取って評価するのは少しもったいないブランドです。
「眼鏡として高いか」だけでなく、工芸品やジュエリーに近い作り込みまで含めて価値をどう見るかで、価格の感じ方は変わってくると思います。
※価格はモデル・カラー・仕様によって異なります。掲載価格を入れる場合は、2026年10月確認時点のMATSUDA日本向け公式サイトを基準にしています。
MATSUDAはどんな人に向いている?
MATSUDAは、できるだけシンプルで目立たない眼鏡を探している人より、眼鏡そのものをファッションとして楽しみたい人に向いています。
特に、
- 細かな作り込みが好き
- メタルフレームや彫金が好き
- ヴィンテージやクラシックなデザインが好き
- 日本製の眼鏡に惹かれる
- 海外のラグジュアリーアイウェアが好き
- 人と被りにくい眼鏡を探している
- 正面だけでなく横顔まで格好いいフレームが欲しい
という人なら、一度実物を見てほしいブランドです。
MATSUDAは、写真だけでは良さが伝わりきらないブランドでもあります。
細かな彫金やパーツの立体感、メタルの質感。
実物を手に取って角度を変えてみると、写真では気づかなかったディテールが見つかることがあります。
価格だけを見るとハードルがありますが、細部を見るほど「なぜこの価格なのか」が見えてくるブランドです。
MATSUDAのメガネはどこで買える?
MATSUDAは、日本国内の一部アイウェアショップで取り扱われています。
また、MATSUDA公式オンラインストアから現行モデルを確認することもできます。
ただし、MATSUDAはモデルによってサイズ感や重量、サイドシールドの存在感などが大きく異なります。
特に高価格帯のフレームを選ぶなら、可能であれば実物を試着してから購入したいところです。
顔幅。
鼻への乗り方。
テンプルの開き。
フレーム全体の重量。
そして、正面だけでなく横から見たときの印象。
このあたりまで確認して選んでみてください。
まとめ|MATSUDAは細部まで見てほしいアイウェア
MATSUDAは、松田光弘氏の世界観から生まれ、現在も日本で作られているアイウェアブランドです。
海外のファッションシーンと早い時期から接点を持ち、日本のものづくりを背景に独自のデザインを築いてきました。
眼鏡販売の仕事をしていて多くのブランドを見てきましたが、MATSUDAには「これはMATSUDAだ」と感じさせるデザインがあります。
だからこそ、MATSUDAを見るときは正面だけで終わらせないでほしい。
リムの彫金、テンプル、ヒンジ、そしてサイドシールド。
ぜひ横や斜めからも見てみてください。
MATSUDAの魅力は、そうした細部にこそ表れています。

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