アーレム(AHLEM)は、眼鏡が好きになっていくと気になり始めるブランドのひとつです。
Ray-Ban(レイバン)やMOSCOT(モスコット)のように、誰もが知っているブランドではありません。
それでも眼鏡専門店や感度の高いセレクトショップを見ていると、アーレム(AHLEM)の名前を目にする機会は増えてきます。
一見するとデザインはシンプル。
ところが近くで見ると、フレームのカッティングやメタルの表情、細かな彫り、立体的なエッジなど、かなり手が込んでいます。
ブランドロゴではなく、眼鏡そのものの作りで存在感を出す。
それがアーレム(AHLEM)の魅力です。
この記事では、AHLEMがどんなブランドなのか、現在の価格帯、フランスでのものづくり、代表的なモデルまで、眼鏡販売の現場経験をもとに紹介します。
アーレム(AHLEM)とはどんなブランド?
AHLEMは2014年にスタートしたアイウェアブランドです。
デザイナーは、パリ生まれのAhlem Manai-Platt(アーレム・マナイ=プラット)。
ブランドのデザインには、20世紀初頭のバウハウスの考え方が大きな影響を与えています。
装飾を重ねて華やかに見せるというより、形や素材、構造そのものを美しく見せる。
その考え方は、細身のメタルフレームにも、厚みのあるアセテートフレームにも共通しています。
遠目にはすっきりとした印象ですが、近くで見ると細かな彫りや面の変化が効いています。
シンプルに見えて、細部までしっかり作り込まれている。
ここがAHLEMを知るうえで、まず押さえておきたい特徴です。
AHLEM公式の2026年秋冬コレクションより、眼鏡の着用イメージ。
アーレムのメガネはどこで作られている?
AHLEMのフレームはフランスでハンドメイドされています。
1本のフレームは複数の職人の手を渡り、研磨、アセテートの切削、レーザー彫刻、面取り、塗装など、多くの工程を経て完成します。
メタルには、パラジウムやルテニウム、22Kゴールドなどを使った表面処理が施されるモデルもあります。
高価格帯の眼鏡というと、まず素材に目が行きます。
もちろん素材も重要ですが、価格差が出るのはそれだけではありません。
削る、磨く、彫る、面を整える。
完成した状態では目立たない部分にも、人の手と時間がかかっています。
特にメタルフレームを見ると、その違いが分かりやすいです。
細いリムやテンプルにも凹凸や彫りが入り、光の当たり方によって表情が変わります。
見た目はすっきりしていますが、細部を見ると一般的な細身のメタルフレームとは作り込みが違います。
アーレムのメガネはいくら?現在の価格帯
AHLEMは、高級アイウェアに入る価格帯です。
現在の国内販売価格を見ると、フレームだけで8万円前後からがひとつの目安になります。
モデルや仕様によっては9万円台に入るものもあります。
度付きで作る場合は、ここにレンズ代が加わります。
薄型レンズや遠近両用などを選べば、完成価格が10万円を超えることも珍しくありません。
決して気軽な価格ではありません。
ただ、AHLEMの場合は大きなブランドロゴや分かりやすい装飾に価格をかけるというより、製造工程や細部の仕上げに手間をかけています。
そのため、価格だけを見るより、実物のフレームを近くで見た方が違いを理解しやすいブランドです。
アーレムのメガネは何が特徴?
細部まで作り込まれたメタルフレーム
AHLEMを見ていて特に印象に残るのがメタルフレームです。
一見すると細く、繊細。
でもよく見ると、リムやテンプルには細かな凹凸や彫りが入っています。
22Kゴールドの電気メッキを施したメタルフレームなど、表面処理にこだわったモデルも展開されています。
アクセサリーのように強く輝かせるのではなく、光が当たったときに少し表情が出る。
華やかさはありつつ、眼鏡としては主張しすぎない。
このバランスはAHLEMらしいところです。
アセテートは「太さ」より面の見せ方に注目
アセテートフレームも、単純に太く作って存在感を出しているわけではありません。
フロントやテンプルにカッティングを入れ、見る角度によって輪郭の見え方を変えています。
そのため黒縁でも、一般的なクラシックフレームとは少し雰囲気が違います。
MOSCOTのようなアメリカンクラシックとは違う、もう少しシャープで立体感のあるセルフレームを探している人にも候補になります。
少しクセのあるレンズシェイプ
AHLEMには、ラウンドやスクエアだけでなく、多角形やキャットアイなど、少し特徴のある形も多く見られます。
ただし、形だけを強く見せるわけではありません。
フレームの線を細くしたり、角度を少し抑えたりすることで、個性的なシェイプを掛けやすいバランスに整えています。
店頭でフレーム単体を見たときは派手に感じたのに、掛けてみると意外と落ち着いて見える。
眼鏡売り場では、そんな反応は珍しくありません。
AHLEMは、写真やトレイの上の印象だけで判断せず、ぜひ一度試着してほしいブランドです。
アーレムで知っておきたい代表モデル
AHLEMは、ひとつの定番モデルだけを長く売るというより、シーズンごとに新しいシェイプやディテールを加えていくブランドです。
その中でも、ブランドの方向性をつかみやすいモデルをいくつか見ていきます。
Champ de Mars|AHLEMらしいアセテート
AHLEMのアセテートを見るなら、Champ de Marsは知っておきたいモデルです。
厚みのあるフレームですが、ただボリュームを出しているわけではありません。
フロントやテンプルに面を作り、光の当たり方によって輪郭の見え方が変わります。
クラシックなセルフレームを土台にしながら、ヴィンテージをそのまま再現したようには見えない。
AHLEMらしい現代的なアセテートフレームを知る入口になる一本です。
Dragon|太めのセルをすっきり掛けたい人に
Dragonも、AHLEMらしいアセテートフレームです。
ボリュームはありながら、輪郭をただ太く見せるのではなく、フロントやテンプルの造形によって立体感を作っています。
太めの黒縁が欲しい。
でも、いかにもクラシックなウェリントンでは少し重い。
そんなときに掛け比べてみたいタイプです。
Gaillon|メタルなら見ておきたい一本
Gaillonは、多角形を柔らかくしたようなメタルフレームです。
真円でもスクエアでもない。
角はあるけれど、掛けると形ばかりが目立たない。
普通のボストンやラウンドでは少し物足りないけれど、奇抜なフレームまでは求めていない。
そんな人にAHLEMのデザインが伝わりやすいモデルです。
Place Mireille|キャットアイを自然に取り入れる
AHLEMのコレクションには、目尻を少し持ち上げたキャットアイ系のシェイプもあります。
ただし、昔ながらのキャットアイのように強く跳ね上げるというより、線を細くしたり角度を抑えたりして、普段使いしやすいバランスに整えています。
Place Mireilleは、その特徴が分かりやすい小ぶりのメタルフレームです。
キャットアイと聞くと、かなり女性的でクセの強い形を想像するかもしれません。
Place Mireilleは、キャットアイらしいシャープさは残しつつ、掛けると意外なほど顔になじみます。
普通のボストンやオーバルから少し雰囲気を変えたい人にも取り入れやすい形です。
AHLEMはサングラスで見るとデザインがさらに分かりやすい
AHLEMは、メガネとサングラスでまったく別の世界観を作っているわけではありません。
GaillonやDragonなど、オプティカルとサングラスの両方で展開されるデザインもあります。
サングラスになるとレンズカラーが加わるため、フレームの輪郭やレンズシェイプがよりはっきり見えます。
AHLEMが得意とする多角形やキャットアイも、クリアレンズでは少し特徴的に感じる形が、カラーレンズになると取り入れやすくなることがあります。
普段使いのメガネでは少し攻めすぎかなと思うデザインでも、サングラスなら合わせやすい。
AHLEMのシェイプをしっかり楽しみたいなら、オプティカルだけでなくサングラスも一緒に見ておきたいところです。
アーレムはどんな人に向いている?
AHLEMは、一目でブランド名が分かる眼鏡が欲しい人より、細部まで作り込まれた眼鏡を選びたい人に向いています。
価格だけ見ればかなり高めですが、大きなロゴが入っているわけでも、誰にでも分かるアイコンが付いているわけでもありません。
そのため、「高級な眼鏡を掛けていることを分かりやすく見せたい」という目的なら、ほかのブランドの方が合う場合もあります。
AHLEMは、近くで見たときに違いが分かるタイプのブランドです。
彫り、カッティング、面の変化、メタルの表情。
眼鏡を何本か掛けてきて、「次は少し違うものが欲しい」と思い始めたときにも候補に入りやすいでしょう。
一方で、顔立ちや年齢で選びにくいブランドというわけではありません。
ただ、デザインにはある程度クセがあります。
眼鏡単体で似合うかどうかを見るより、普段の服装まで含めてバランスを見る方が選びやすいブランドです。
できれば、いつもよく着る服装で試着してみるとイメージしやすいでしょう。
アーレムとEYEVANはどう違う?
EYEVANもAHLEMも、ファッションとの相性がいいアイウェアです。
実際に店頭でも、同じお客様が比較することのあるブランドです。
ただ、掛け比べてみると方向性には違いがあります。
EYEVANは日本で生まれ、日本の眼鏡づくりを背景にしながら、クラシックから現代的なデザインまで幅広く展開しています。
セル、メタル、コンビネーションと選択肢も多く、初めて高価格帯の眼鏡を探す人でも、自分に合う一本を見つけやすいブランドです。
一方のAHLEMは、フランスでの職人製造を軸に、幾何学的なシェイプや細かな彫り、独特のカッティングなど、ブランドとしてのデザインがよりはっきりしています。
大きく分けるなら、
EYEVANは、幅広いデザインの中から自分に合う一本を選びやすい。
AHLEMは、ブランド独自のデザインや細かな作り込みまで楽しみたい人に向いている。
同じ予算帯で候補に入ることもありますが、実際に掛け比べると好みが分かれやすい2ブランドです。
アーレムとBLANCはどう違う?
AHLEMとBLANCは、価格帯だけを見れば完全に同じ立ち位置ではありません。
それでも、眼鏡をファッションの一部として選ぶ人にとっては、比較候補に入りやすいブランドです。
BLANCは日本のファッションに取り入れやすいデザインが多く、少し特徴のあるフレームでも、服装の中に自然になじませやすいのが魅力です。
AHLEMも派手なロゴで主張するブランドではありませんが、フレームを近くで見ると、カッティングや彫り、メタルの表面処理など、細かな作り込みがより強く感じられます。
その分、価格もAHLEMの方が上がりやすくなります。
BLANCは、ファッションの中に自然に眼鏡を取り入れたい人。
AHLEMは、そこからさらにフレームの仕上げやディテールまで楽しみたい人。
価格差だけで上下を決めるというより、どこに魅力を感じるかで選ぶと分かりやすい2ブランドです。
アーレムはどこで買える?
AHLEMは、一般的な眼鏡量販店で広く展開されているブランドではありません。
日本では一部の眼鏡専門店やセレクトショップで取り扱われています。
初めての一本なら、実際に取扱店でいくつか掛け比べてから決めるのがおすすめです。
度付きで作る場合は、フレーム選びだけでなくフィッティングやレンズ選びも重要になります。
特にアセテートフレームは、鼻パッドがフレームと一体になった固定式のものも多く、鼻の高さや形によってはそのままだと掛けにくいことがあります。
その場合は、鼻盛りで高さを調整したり、モデルや店舗によっては可動式の鼻パッドへ変更したりする方法もあります。
デザインが気に入っても、掛け位置が合わなければ本来の見え方にはなりません。
購入前に、自分の鼻に合っているか、必要ならどこまで調整できるかまで店頭で相談しておくと安心です。
まとめ|アーレムは細部の作り込みを楽しむメガネ
AHLEMは2014年に始まったアイウェアブランドです。
フランスの職人による製造、バウハウスを背景にしたデザイン、メタルの細かな表面処理、アセテートのカッティング。
そして、多角形やキャットアイなどを取り入れながら、実際に掛けやすいところまで整えられたレンズシェイプ。
AHLEMの特徴は、派手なロゴや分かりやすいブランドアピールではなく、フレームそのものの作り込みにあります。
遠目にはすっきりしている。
近くで見ると、細かな違いが分かる。
そして、実際に掛けてみるとフレーム単体で見たときとはまた印象が変わる。
そういう眼鏡を探しているなら、AHLEMは一度試してみてほしいブランドです。

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